ハワイの裁判制度について

Q. 私はハワイに来て大学にいっていますがハワイの政治経済を勉強しています。ハワイの裁判所の仕組はどのようになっているのでしょうか?

 A. ハワイの裁判制度は日本の裁判制度と同じように、最高裁判所(Supreme Court)、中間控訴裁判所(Intermediate Court of Appeals)、事実審裁判所(Trial Court)の三審制です。ただし、事件によっては中間控訴裁判所を省略して事実上二審となる場合もありますので「2.5審制」といえます。

最高裁判所では、主に下級裁判所が出した判決の再検討が行われます。最高裁判所では、新たに証拠を検討したり、口頭弁論が行われることはまれで、ほとんどの判決は、下級審の文書記録に基ずいています。その他、ハワイの最高裁判所は裁判規則の施行、弁護士の懲罰、裁判官の管理、裁判所管理事務室長官の指名やハワイ州全ての裁判所の統治を行います。

            中間控訴裁判所は1978年の憲法修正によって設立されました。中間控訴裁判所は最高裁判所と同様に下級裁判所が出した判決の再検討を行います。最高裁判所とは違って、判例の公式化とは関係ない判決の再検討を行います。中間控訴裁判所は、下級裁判所が出した判決を翻す権限を持っています。しかし、当事者は、中間控訴裁判所が出した判決を最高裁判所に上訴が出来ます。

            ハワイの事実審裁判所は巡回裁判所(Circuit Court)と地方裁判所(District Court)から成っています。訴訟は普通まず 巡回裁判所 又は、地方裁判所に持ち込まれます。ハワイには全部で4つの巡回区があります。第一巡回裁判所(The first judicial circuit) はオアフ島とモロカイ島のカラワオ地区を管轄しています。第二巡回裁判所(The second judicial circuit)はマウイ島、カラワオ地区を除くモロカイ島、ラナイ島、カホオラエ島、とモロキニ島を管轄しています。第三巡回裁判所(The third judicial circuit)は、ヒロとコナ地区に二分されていて、ハワイ島を管轄しています。第五巡回裁判所 (The fifth judicial circuit) は、カウアイ島とニイハウ島を管轄してます。昔あった第四巡回裁判所は1943年に第三巡回裁判所と合併したため、現在存在しません。所在地は下記の通りです。

            第一巡回裁判所: 777 Punchbowl St., Honolulu, Hawaii 96813

            第二巡回裁判所: 2145 Main St., Wailuku, Maui, Hawaii 96793

            第三巡回裁判所: 75 Aupuni St.,  Hilo Hawaii 96720

            第五巡回裁判所: 3970 Kaana St., Lihue, Hawaii 96766

            ハワイの巡回裁判所は民事訴訟全般、非陪審審理、又は陪審審理を取扱っていますが、$20,000.00を超えた訴訟と陪審審理の要求のあった訴訟に専属管轄権を有します。$10,000.00以上$20,000.00以下の訴訟は、地方裁判所と競合裁判管轄有します。その他、巡回裁判所は、裁判に登録されている土地、・名誉毀損・誣告・不法監禁・審判員任命・遺言の検認・信託・人身保護令状・権限開示訴訟に対して専属的裁判権を持っています。どの裁判所が取り扱うかは訴訟原因が発生した地区、あるいはは大多数の被告が居住する地区で決まります。

            ハワイの地方裁判所では、陪審裁判を除く、$10,000.00以下の民事訴訟全般を扱っています。陪審審理が要求された場合、事件は巡回裁判所へ移管されます。また、当事者に送達できない場合は、巡回裁判所と競合裁判管轄となります。交通違反、借家明渡、占有剥奪・強制退去、$10,000以下の非陪審裁判、$3,500以下の事件に対して専属的裁判権を持っています。また地方裁判所の中には小額裁判所があり、$3,500以下(反訴は$20,000まで)の小額事件を取扱っています。賃貸敷金争議に対しては専属管轄権を有します。小額裁判所の訴訟手続きは、非公式で、陪審による裁判は行われませんし、上訴権も与えられていません。